唐松岳(日帰り)ルートガイド
北アルプスの後立山連峰に位置する山で、スタート地点となる八方池山荘まではスキー場のゴンドラやリフトを使えるため、標高を一気に稼ぐことができる。そして、スタート地点からいきなり絶景が楽しめる。
冬期に晴れの多い八ヶ岳に対し、後立山は快晴が少ないので週末に晴れたら、それは大チャンス!
常に唐松岳の天候をチェックし、行けるタイミングがあればいつでも行ける状態でスタンバイしていて欲しいくらいオススメ(笑
コースとしては、最初からずっと360度の冬の美しい景色に囲まれながら尾根を歩いて山頂を目指す。
分岐は頂上山荘付近の一箇所しかないし、いくつもケルンが建っていたり、多少はロープが張られていたりと、よほど迷わないのだが、注意点がある。
この山は晴れていても午後になると急に風が強くなってホワイトアウトすることがあり、自信のない方はしっかりと時間帯別の風速予想を見て、チャレンジするかを見定めよう。
そして山の地形を把握しながら来た道はそのまま帰りも使うことを念頭に地形を記憶しながら登ろう。
体力的には、地味にキツイ。というのが帰りのリフトの最終時間が割と早いので、多少のんびりする時間を作ろうと思うとそれなりのペースを維持しなければいけない。日によってはラッセルを強いられる為、そうなると時間はカツカツになってしまうかも。ワカンを持っていくと安心。また終始吹きさらしで風の強い尾根を歩くので身体を支えるのにジワジワと体力を削られるというシーンも。
日帰りする自信のない方は、八方池山荘で前泊しても良いかもしれない。
冬の山の星空を見たことがあるだろうか?それはもう息を呑むくらい美しい。そういった意味でも前泊はアリかも!?
基本情報
山域 | 山 | 標高 | ルート | 登山日 |
後立山連峰 | 唐松岳 | 3696m | 八方尾根⇒山頂 | 12月、1月 |
危険度 | 体力 | 展望 | レベル | 時間 |
☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | 中級 | 6時間 |
駐車場 | 最寄IC | 最寄駅 | 近隣の温泉 |
八方尾根スキー場 | 長野道 安曇野 | JR大糸線 白馬 | 八方の湯 |
駐車場
八方尾根スキー場の無料駐車場6番がゴンドラに一番近いが土日は早朝5時には埋まっています。
有料なら多少近い場所もあるケド・・・。
ルート(コースタイム)
八方池山荘(9:00)⇒八方山ケルン(9:20)⇒第2ケルン(9:40)⇒八方ケルン(9:45)⇒第3ケルン(10:00)⇒展望図⇒丸山ケルン(11:40)⇒頂上山荘の分岐(12:50)⇒山頂(13:20)⇒八方池山荘(15:20)
レポート
無料のP6駐車場に停めたら、まずは10分ほど歩いてゴンドラ「アダム」の乗り場を目指す。
図に水色と黄色の線でマークした通りで「アダム(往復:円1780)」「アルペンクワッド(往復:600円)」「グラードクワッド(往復:600円)」に乗り八方池山荘を目指す。各チケットは現地で乗り場ごとに買うことになる。
それが面倒という人は、チケット売り場でICカード(3100円)を買うと多少は割高になるが(3100-2980= 差額 120円)手間は省ける。
ちなみに冬期は他にルートはない、というのがP6駐車場付近のリフトは下りに対応していないのだ。気をつけよう。
それと、ゴンドラリフトの始発、最終時刻がホームページに書かれていないのは、その日の天候などによって変動するからだ。
しっかり乗り場でチェックして乗り遅れに気をつけよう。
ゴンドラに一番近いP6駐車場に停める。土日は夜中のうちにほとんど埋ってしまう。
チケット売り場。120円高くなるがICカードでゴンドラリフトに乗るならココで買おう。
ちなみに、ICカードの保証金で500円必要だが、紛失せずに最後にちゃんと返せば500円は返ってくるよ。
一番近いトイレ。ウォシュレットで便座も暖かいし、ドアには荷物をかけることが出来るし、ソロでも荷物を外においたままにせずに入れる。
トイレ自体はグラードクワッドに乗る前まで各リフト乗り場で行くチャンスはあるよ。
ゴンドラ乗り場まで10分くらい。町の中を通るんだけどちょっと分かりづらい。
画像の人が出てきてるところに道がある「万国屋」という赤い看板を探そう。そこから次は橋を目指す。
橋にきたら「ゴンドラ」と書かれたどっちを指してるか判りづらい看板があるので左へ(笑
もし、手袋や靴下や何か忘れた場合、この付近にはこういったレンタル屋さんがいっぱいあるので諦めずに訪ねてみるといいかも?
リフトの駅にも雪山グッズのショップがあったよ。
ゴンドラ駅にはバスターミナルがあったから、公共交通機関で来る人はここまで来れるのかも?
そうそう。ご飯食べるところもいっぱい。レストランもリフトの駅にあるし。カフェもある。
このヘリコプターみたいなのがゴンドラ。ゴンドラの往復チケットを買う。
うわーーーゴンドラすげええええ!!!
アルペンクワッド⇒グラードクワッドに乗って到着。帰りのチケット3枚をなくさないようにね(笑
あと、グラードクワッドの最終時間を必ず確認しておくこと!!
八方池山荘!!帰りはここが見えると安心する。
自販機が冬眠してるので起こさないように・・・気をつけて準備。
さあ!出発しよう。
うわああああスタートからこんなんで良いんですか!きもちよすぎーーーぃ!!
なんか街と空の間に謎の空気の層ができてる。神秘的。
右も左も素晴らしい景色の中でワクワクしながら歩くと「八方山ケルン」が現れる。
トイレもあるけど、こちらは冬期は使えない。でも、もし何かあったら風よけになるのでここへ逃げ込もう。
左手には双耳峰が特徴の「鹿島槍ヶ岳:2889m」が見える。その手前には非常に男性的なガッシリとした山容が特徴の「五竜岳:2814m」。
ちなみに、鹿島槍ヶ岳をずっと昔(1700年ごろ)は(後立山ごりゅうざん)と呼んだんだって。
後立山(うしろたてやま)連峰の後立山(ごりゅうざん)。しかも、五竜岳じゃなくて鹿島槍が(ごりゅう)なんて、ややこしい。
第二ケルン!
そして、すぐに「八方ケルン」
ここをずっと行くんだなー。なんて気持ち良いんだろう。
左のギザギザが不帰ノ嶮(かえらずのけん)Ⅲ峰。その右はⅡ峰の南峰。
はぁ・・・ため息が出るくらい綺麗。
ふと後を振り返ると・・・ すごいなぁ・・・。
ずんぐりムックリの第三ケルン。
さて、そろそろ行動食。医療関係者ならご存知、最強の栄養食であるぼくのオススメしているメイバランスMini、へへへ。これこれ。
!?
ストローがとれてる!??だと・・・(ちーん)
山に意気揚々とカップラーメンを持って行って箸を忘れたときくらいの凹む・・・。
参考:【病院栄養科長、凄腕薬剤師が選ぶ】オススメ行動食はコレだ!
こうやって展望図と照らし合せると、面白い。
右手にはいつも白馬三山が見えている。
シュカブラは綺麗だな。
丸山ケルンに到着。ここからちょっとだけキツくなるぞ。
バックカントリースキーの外人さんたち。
風に飛ばされないように気をつけよう。
ふぅ・・・遠くにきたなぁ・・・。
冬期は閉まっている山頂小屋付近の分岐。間違えないようにね。
さあ!山頂は目の前だ!!
唐松岳、山頂に到着!!涙でそう。
正面には岩の殿堂「剱岳:2999m」。
言葉を失うってこういうことなんだろうな。
はじめからずっと見えていた五竜岳。近くで見るとその堂々とした威厳に畏怖してしまうくらい。
あまりに雄大な姿が目の前に。しかも360度も広がっているせいで遠い眼になってしまう。
唐松岳は、天候にさえ恵まれれば難易度は高くありません。
是非、この雄大な銀世界を旅しにいってみてください。
何か不安な点や質問がある方はお気軽にメールでご質問くださいね。