アウターウェアのメンテナンスについて考える
登山をする人ならゴアテックスを使ったソフトシェルやハードシェルなどのアウターを一着は持っているかと思います。
前回記事:【ゴアテックスの真実】実はゴアテックスの効果は限定的!? でお伝えしたように、ゴアテックスの性能は仕組み上、撥水性を保たなければその効果を発揮できません。
では、どのようにすればアウターウェアを長持ちさせることができるのでしょうか。
「洗濯方法は?」「洗う頻度は?」 様々なメーカーの出している見解を元に、情報をまとめてみました。
なお、今回参考にしたのは、ゴアテックス社、東レ社、パタゴニア、モンベル、Arc'teryx、BURTON、好日山荘、さかいやスポーツ、GRANGER'S、NIKWAXの各社が出している情報です。
結論から言うと・・・
- ・使ったら洗う
- ・洗って生地が傷む心配するなら洗うほうがいい
- ・専用洗剤を使う
- ・定期的な撥水性復活の作業は必要
- ・寿命は長くて5年
ウェアを洗う頻度
まず、最初に悩むのが頻度だと思います。
ウェアの性能を保つには汗や皮脂、化粧や日焼け止めの付着など『汚れ』が大敵であり、それが固着してしまうとかなり厄介で『使ったら洗う』が基本のようです。
モンベルは以下のようにすら言っています。
「どの位の頻度で洗濯すれば良いですか?」 といったご質問をよく受けます。洗濯による生地へのダメージを気にされてのことだと思いますが、使用後そのまま保存することで受けるダメージと比較すれば、たいしたものではありません。
ただ、他のメーカーは「定期的に」「10日程度で」と言っていたりするところもありますし、専用洗剤代も節約したいので、私の場合は洗濯方法を少しだけ工夫して『生地を傷めずこまめに洗う方法』を考えて実践しています。
それについては後ほど紹介したいと思います。
洗剤について
実は一般的に家庭で使用している洗濯洗剤は生地にかなり残ってしまいます。蛍光剤や香料なども含まれ、ウェアの効果を妨げたり生地に良くない場合があります。
そのため、専用洗剤を使いましょう。
■オススメの登山ウェア用洗剤 その名も『GRANGER'S』
『GRANGER'S』は なんとパタゴニア、Arc'teryxが公式で推奨し、Gore-Tex社が公認しているような洗剤です。
つまり、これを使っておけば問題ないです。
■GRANGER'S の種類
まず、製品としては3つのラインナップがあります。
- ・G Cleaner
→洗浄用。フリースやアンダーウェアにも洗えちゃう。
生地を傷めず洗剤を残さず撥水性をキープ。 - ・XT-PROOFER
→撥水加工用。非常に優秀で効果も長持ち。
一本で3~4着くらいはいけます。 - ・2 IN 1 クリーナー&プルーファー
→洗浄用+撥水加工。撥水効果はスプレーに劣るものの、
それでも10回の洗濯までは持続します。
■GRANGER'S の選び方
洗いたいウェアの状態によって購入する物を使い分けます。
- ・状態が良い(ウエアが比較的新しく使用頻度も低い)
→G Cleaner - ・状態が普通(ウエアは比較的新しいが使用頻度が高い)(年月がたっているが使用頻度が低い)
→2 IN 1 クリーナー&プルーファー - ・状態が悪い(ウエアが古く使用頻度も高い)
→G Cleaner と XTプルーファーを併用。
■他にオススメの洗剤は?
あります。むしろ、日本ではこっちの方がスタンダードかも?
その名は『NIKWAX』登山靴のメンテ用品として王道の信頼と実績のメーカーです。
- ・LOFTテックウォッシュ
→洗浄用。お得な1リットルサイズもあります。 - ・TXダイレクトスプレー
→安定の撥水効果。リンクのお店からだとちょっとお得なテックウォッシュとのセット販売がありました。
ウェアの洗い方
- 1.ファスナー、ベルクロを閉める。コードを緩めフードは広げる。
→洗濯中の引っ張りや絡みつきで傷めたり、洗剤の残留を防ぎます。 - 2.洗濯コースのセット。
→『すすぎを多め、脱水を無し』に設定。 - 3.お湯を用意する。
→40度のお湯で洗うと汚れが落ち、洗剤の残留を防げます。 - 4.洗濯開始!
→洗剤を指定量いれてください。 - 5.終わったら乾燥機へ。
→30~50分を目安に。乾燥温度などウェアの洗濯表示に注意。 - ※ もしも、乾燥機がない場合は・・・
→軽く水を切り、陰干しします。
→その後当て布をして中温でアイロン。しわに注意!生地にダメージが入ります。 - 6.完了!!
→ハンガーにかけて保存しましょう。たたむ場合は折り目がつかないように注意。
撥水性の回復方法
- 1.ウェアを洗濯したら濡れたままハンガーにかけ、ムラなくスプレー。
→自分はお風呂場でスプレーしてます。シュッシュッ! - 2.そのまま乾燥機へ
→洗剤を指定量いれてください。 - ※ もしも、乾燥機がない場合は・・・
→軽く水を切り、陰干しします。
→その後当て布をして中温でアイロン。しわに注意!生地にダメージが入ります。 - 3.完了!!
→ハンガーにかけて保存しましょう。たたむ場合は折り目がつかないように注意。
私の場合・・・
洗剤も高いですし、シーズンに1回から2回ほどしっかり洗剤を使いますが、それ以外は毎回帰ってすぐに風呂場でシャワーを使ってぬるま湯で手洗いしています。一応、これで問題なく長く使えています。
ただ、それでも洗剤で洗うとそれなりに汚れているので、どこかのタイミングで洗剤での洗濯は必須だと思います。
ということで『毎回、ぬるま湯で洗い。シーズン一回は洗剤洗い!』をオススメします。
以上、登山用アウターシェルの洗い方でした。
前回記事:【ゴアテックスの真実】実はゴアテックスの効果は限定的!?