知っておくべきゴアテックスの性質と注意点
登山のアウターウェアや医療など様々な分野で使われているゴアテックス。
その特徴は優れた防水透湿性で汗などの水蒸気は通すが雨は通さないというもの。
登山用シェルといえばゴアテックス。
お決まりの文句に疑いを持たず買った人も多いことでしょう。
しかし、実はこの効果は限定的な環境でのみ有効なのです。
この真実を書いたら何者かに消されるんじゃないかって怯えてます(笑
では、まずGore-Texの仕組みと知っておくべき性質について解説してみます。
ちなみに、次回はゴアテックスを使ったアウターシェルの洗濯の頻度と方法を解説しますよ!(一応、フォロー)
Gore-Texの仕組み
ゴアテックスを使った登山ウェアは、図のように3枚以上の異なる素材の布で構成されていることが多いです。
・「撥水性」を持った一番外側の層
・「防水」「透湿性」をもったゴアテックスの層
・肌に触れる層
まず、皮膚からでた蒸気は「肌に触れる層」を通って「ゴアテックス」を通過し「外の層」を通過し大気に排出されます。
逆に外からの雨は「外の層」で撥水されます。
激しい雨や汚れなどにより撥水されなかった場合は、ゴアテックスが「防水」してくれます。
が!!
実は撥水性がない状況ではゴアテックスは透湿しません!!
これはよくよく考えると当然のことなのですが、雨をはじかず生地がべちゃっとなっている状態というのは表面に水の膜が出来ています。
そうです。水蒸気は水の膜を通過できません。つまり、長年使って撥水しなくなったウェアはゴアテックスの意味をなしていない可能性があるのです。
ゴアテックスの性能を発揮するには、しっかりとアウターウェアのメンテナンスすることが大切なのです。
そう。次回、撥水性を長持ちさせたり復活させるメンテナンス方法を書こうと思ったはこのタメ。
つづきまして・・・もうちょっとガッカリする話しを(汗
透湿性が効きにくい環境がある
一度、頭をクリアにしてゴアテックスという素材と向き合ってみて下さい。
雨が降れば外は蒸気で満ちていますよね。
そうです。疑問に思いませんか?
「蒸気を通過させる」のは皮膚から出た蒸気を中から外に出すだけでしょうか?
なぜ、中の蒸気だけを外に運ぶのか。
実はこれ、温度が関係しています。
ちゃんと説明するとブラウン運動やエントロピーの法則など、ちょっとややこしい話しになってしまうので簡潔に言うと
「温かい空気は活動的で、しかも冷たい空気側に行く」という特性があるからなのです。
つまり、逆を言えば夏のようにウェア内外の温度差が少ないと効果を発揮しにくい!!のです。
さらに言うと空気中に含むことができる水の量は限られているので、空気中の水が飽和している雨の日に、そこへ更に蒸気を出しても・・・ベチャッとしてしまいます。
このように十分な効果を発揮するには条件があり。高いからといって常にめちゃくちゃ快適になるワケではないことを知っておいてください。
それでもなんの透湿性もないウェアよりはマシです。
ということで、次回は透湿性を保つためのメンテナンス方法を解説します。